第282号
去る6月11日、大手町経団連会館において当協会の総会、理事会が開催され、清水琢三新会長が就任しました。懇親会での就任あいさつでは、洋上風力の発展に向けた他団体との連携や、次期海洋基本計画への提言のとりまとめについての意欲が示されました。続いて小野寺五典衆議院議員より来賓挨拶を頂戴しました。また、黄川田仁志衆議院議員も駆けつけてくれました。当日は、会員企業、有識者、関係府省、関係団体、自治体等から約200名の参加があり、大小さまざまな懇談の輪が広がりました。お忙しいところ、ご参加いただきました各位に厚くお礼申し上げます。また、この場をお借りして、これまでお世話になった斎藤前会長にもお礼申し上げます。
======= 目 次 =======
《一般情報》
1.NEDO、GI基金事業で新たに浮体式洋上風力実証事業2件を採択
2.内閣府総合海洋政策推進事務局、AUV利用実証試験の公募で4件を選定
3.環境省、「離島への浮体式洋上風力発電導入検討の手引」を公表
4.日本郵船、洋上風力訓練センター「風と海の学校 あきた」開所式を実施
5.五洋建設、離着水・海上航行可能な海洋観測ドローンを開発
6.東洋建設・三井海洋開発、TLP浮体洋上風力の浮体・係留システムでAiP取得
7.住商、ノルウェーの洋上風力支援船保有・運航会社に出資参画
8.商船三井・北拓、洋上風力運用保守管理トレーニング設備の竣工式
9.Equinor社、NY沖洋上風発プロジェクトの再エネ売買契約を締結
10.台湾彰化県沖の約600MW洋上風力発電施設が建設完了
《海産研関係情報》
1.定時総会・第二回理事会、2024年度懇親会開催
2.2024年度、会員向け出張情報サービスの実施について
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◇清水琢三新会長(五洋建設(株)代表取締役社長)が就任
・・・・6月11日(火)、2024年度定時総会、第2回理事会が開催され、第12代斎藤保会長((株)IHI相談役)の後任として、清水琢三会長(五洋建設(株)代表取締役社長)が就任した。
《一般情報》
1.NEDO、GI基金事業で新たに浮体式洋上風力実証事業2件を採択
NEDOは、グリーンイノベーション基金事業の一環で、「洋上風力発電の低コスト化」プロジェクトを進めており、同プロジェクトの研究開発項目の一つである「浮体式洋上風力実証事業」について、2件の研究テーマを採択したことを6月11日に発表した。テーマは以下の2件となっている。「低コスト化による海外展開を見据えた秋田県南部沖浮体式洋上風力実証事業」(幹事企業:丸紅洋上風力開発(株)、全9社)、「愛知県沖浮体式洋上風力実証事業」(幹事企業:(株)シーテック、全5社)。
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101750.html
2.内閣府総合海洋政策推進事務局、AUV利用実証試験の公募で4件を選定
内閣府総合海洋政策推進事務局では、AUV利用実証試験の公募を行い、有識者による審査を経て、11件の応募から4件を選定したことを6月10日に公表した。4件の名称と代表実施者は以下となる。「AUVを用いた水中インフラ構造物の3次元的な把握および評価」((株)FullDepth)、「AUVを用いた浮体式洋上風力発電施設の点検を実現するための実証試験」(いであ(株))、「水空合体ドローンを用いた遠隔船底点検」(KDDIスマートドローン(株))、「洋上風力発電設備の保守点検への活用を目指したAUVの利用」(コスモエコパワー(株))。
https://www8.cao.go.jp/ocean/policies/auv/auv_pilot_project/pilot_index.html#20240610
3.環境省、「離島への浮体式洋上風力発電導入検討の手引」を公表
環境省は、6月6日、離島への浮体式洋上風力発電施設の導入拡大を目指し、離島の自治体等が浮体式洋上風力導入を検討する際の参考資料として「離島への浮体式洋上風力発電導入検討の手引」を作成したことを発表した。同手引きでは、離島において地産地消できる規模の浮体式洋上風力発電の導入を検討する場合を想定し、導入の効果や導入検討の流れ、留意点等が紹介されている。
https://www.env.go.jp/press/press_03242.html
4.日本郵船、洋上風力訓練センター「風と海の学校 あきた」開所式を実施
日本郵船(株)と日本海洋事業(株)は、船員や洋上風力発電の作業員を育成する訓練センター「風と海の学校 あきた」の開所式を、5月28日に秋田県立男鹿海洋高等学校内の同訓練センターで実施したことを発表した。同訓練センターは資源エネルギー庁の令和4年度及び5年度「洋上風力発電人材育成事業費補助金」における助成事業の公募採択を受けて、4月1日に設立された。秋田県内の自治体・教育機関と企業が連携して開設されたことが最大の特徴としている。
https://www.nyk.com/news/2024/20240528_02.html
5.五洋建設、離着水・海上航行可能な海洋観測ドローンを開発
五洋建設(株)と(株)プロドローンは、離着水並びに海上航行が可能な海洋観測ドローン“Penta-Ocean Vanguard-DroneAqua“を開発したことを、5月31日に発表した。同ドローンは、離着水が可能なドローンに高精度GNSS、スラスター、測深ソナーを搭載している。陸上からの操作で手軽に効率的に、水深測量・波浪観測が可能となった他、上空からの空撮も可能であり、災害時には陸上・水中双方の状況を速やかに把握可能としている。
https://www.penta-ocean.co.jp/news/2024/240531.html
6.東洋建設・三井海洋開発、TLP浮体洋上風力の浮体・係留システムでAiP取得
東洋建設(株)と三井海洋開発(株)は、「TLP方式の浮体式洋上風力発電設備における浮体・係留システム」に関する基本設計承認(AiP)を(一財)日本海事協会から取得したことを5月21日に発表した。同AiPの取得は、NEDOにより採択されたグリーンイノベーション基金事業「低コストと優れた社会受容性を実現するTLP方式による浮体式洋上発電設備の開発」の開発項目の一つである一体設計技術に関する成果となっている。AiPの審査範囲は風車本体を含まない支持構造物部で、係留における杭基礎を東洋建設、浮体及び係留における係留索やコネクターを三井海洋開発が担当している。
https://www.toyo-const.co.jp/topics/technicalnews-19559
7.住商、ノルウェーの洋上風力支援船保有・運航会社に出資参画
住友商事(株)は、ノルウェーの洋上風力支援船保有・運航会社のIWS Fleet 社と、5月27日に出資参画に合意したことを発表した。出資完了は6月を予定している。IWS Fleet社は、CSOV(Commissioning Service Operation Vessel)船隊規模で世界2位となる6隻(2隻竣工、4隻建設中)を保有し、運航管理を行っている。
https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/release/2024/group/17730
8.商船三井・北拓、洋上風力運用保守管理トレーニング設備の竣工式
(株)商船三井と商船三井グループの(株)北拓は、共同で洋上風力発電の実用的な運用・保守管理に特化したトレーニング設備を北拓の北九州支店の敷地内に建設し、5月21日に竣工式を行ったことを発表した。同設備は国内で初めて洋上風車の基礎と風車タワーの接続部分にあたるトランジションピースを使ったトレーニング設備であり、洋上風力発電特有のリスクを想定したメンテナンストレーニングを実施できるとしている。
https://www.mol.co.jp/pr/2024/24067.html
9.Equinor社、NY沖洋上風発プロジェクトの再エネ売買契約を締結
Equinor社は、6月5日付のニュースリリースで、ニューヨーク州沖の洋上風力発電プロジェクトEmpire Wind 1による再エネについて、ニューヨーク州エネルギー研究開発局(NYSERDA)と売買契約を締結したことを発表した。Empire Wind 1 の潜在発電容量は810MWで、2026年後半に電力供給を開始することを目標としており、この目標が達成された場合、ニューヨーク市の送電網に直接接続される米国初の洋上風力発電プロジェクトとなる。
https://www.equinor.com/news/20240604-solidifies-new-york-offtake-contract-empire-wind-1
10.台湾彰化県沖の約600MW洋上風力発電施設が建設完了
世界的な再生可能エネルギー投資ファンドであるCopenhagen Infrastructure Partners社は、5月22日付のニュースリリースで、Changfang及びXidao洋上風力発電プロジェクトの建設が完了したことを発表した。これら2件のプロジェクトは台湾西海岸の彰化県沖11kmに位置し、62台のVestasV174(9.5MW)タービンとジャケット基礎で構成され、合計発電容量は約600MWに達するとのこと。
https://www.globenewswire.com/news-release/2024/05/22/2886203/0/en/Copenhagen-Infrastructure-Partners-inaugurates-the-Changfang-Xidao-offshore-wind-farms-in-Taiwan.html
《海産研関係情報》
1.定時総会・第二回理事会、2024年度懇親会開催
6月11日に2024年度の定時総会・第二回理事会を開催した。定時総会では、2023年度の事業報告及び決算報告並びに監査報告、役員の選任に関する件等の各議案が承認された。第二回理事会では、会長及び副会長並びに常務理事の選任に関する件が承認され、第13代会長として、清水琢三 五洋建設(株)代表取締役社長・(一社)日本埋立浚渫協会会長が就任した。また、新たに、長谷成人 (一財)東京水産振興会理事・元水産庁長官が、顧問に就任した。懇親会は、約200名の方にご参加をいただいた。情報と意見を交換しながら旧交を温めるとともに、新たな交流の輪も広げていただくことが出来た。
2.2024年度、会員向け出張情報サービスの実施について
当協会では、会員企業等を対象に事務局スタッフがお伺いし、これまで当協会が蓄積してきた情報をもとに特定のテーマに関する情報提供を行う「出張情報サービス」を実施しています。社内研修の一環等にご利用いただければと思います。今年度は、9月末までの期間で、随時、申し込みを受け付けます。詳細につきましては、お気軽に事務局までお問い合わせください。