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2024年8月8日

第284号

パリオリンピックでは、トライアスロン競技の会場となっているセーヌ川の水質についても話題になっております。前回の東京オリンピックでトライアスロンの会場となっているお台場の水質を改善するための「お台場浮体式海域浄化プラント」を、当協会で検討して提案したことを懐かしく思い出しました。残念ながら実現はしませんでしたが、大都市の抱える水質の課題はいずこも同じようです。


=======  目  次  =======  

《一般情報》

1.2024年「海の日」内閣総理大臣メッセージ
2.第17回海洋立国推進功労者内閣総理大臣表彰について
3.経産省・環境省、洋上風力発電におけるモニタリング等に関する検討会開催
4.GI基金、日立造船・鹿島建設が浮体式洋上風力発電基礎の量産化技術を開発
5.東京海洋大学、純燃料電池船実験船「らいちょうN」が船舶検査証書交付
6.ワールドスキャンプロジェクト・東京大学、レアメタル探査システムを開発
7.ホタテの廃棄貝殻からできたブルーカーボンテトラポッドを発表
8.商船三井、最適運航支援ツールを導入
9.国際海底機構、次期事務局長にブラジルのカルヴァーリョ氏を選出
10.東京ガス、ポルトガルの浮体式洋上風発プロジェクトに事業参画


《海産研関係情報》
1.当協会事務局、8月13日(火)~16日(金)夏季休業

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《一般情報》


1.2024年「海の日」内閣総理大臣メッセージ

 国民の祝日である「海の日」に際し、海の恩恵に感謝するとともに海洋国日本の繁栄を願う日として、平成20年度より、総合海洋政策本部長である内閣総理大臣からメッセージが出されている。本年は7月15日に、メッセージが公表された。海洋人材の育成・確保、国際海運におけるシーレーンの重要性、海洋開発等重点戦略の決定、小笠原海台海域の延長大陸棚を設定する政令案の閣議決定等について触れている。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/discourse/20240715uminohi.html


2.第17回海洋立国推進功労者内閣総理大臣表彰について

 7月15日、日本科学未来館において、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省及び環境省が内閣府総合海洋政策推進事務局の協力を得て実施している「第17回海洋立国推進功労者表彰」(内閣総理大臣賞)の表彰式が行われた。「海洋立国日本の推進に関する特別な功績」分野で、大河内直彦氏(海洋研究開発機構)、石井雅男氏(気象庁気象研究所)の2名、「海洋に関する顕著な功績」分野で、高薮縁氏(東京大学大気海洋研究所)、田村兼吉氏(元(独)海上技術安全研究所)、苫小牧漁業協同組合の2名1団体が受賞した。
https://www.mlit.go.jp/report/press/kaiji01_hh_000572.html


3.経産省・環境省、洋上風力発電におけるモニタリング等に関する検討会開催

 7月30日、経済産業省と環境省は「洋上風力発電におけるモニタリング等に関する検討会(第1回)」を開催した。事業者の予見可能性の確保の観点を踏まえ、海外の動向や最新の科学的知見を基に、国と事業者の役割分担を含めたモニタリングの内容、環境配慮の確保に向けたモニタリング結果の活用方法等について整理し、ガイドラインの具体的な内容を検討するとしている。3月までに、3回の委員会開催が予定されている。当協会の塩原研究部長が委員となっている。
https://www.meti.go.jp/shingikai/safety_security/offshore_wind_monitoring/001.html
https://www.env.go.jp/press/press_03473.html


4.GI基金、日立造船・鹿島建設が浮体式洋上風力発電基礎の量産化技術を開発

 NEDOのグリーンイノベーション基金事業「洋上風力発電の低コスト化」プロジェクトで、「浮体式基礎製造・設置低コスト化技術開発事業」に参画する日立造船(株)、鹿島建設(株)は、セミサブ型浮体式基礎の量産化技術を開発し、水上接合による基礎製造工法の実証を行ったことを8月5日に発表した。15MW級の風車を搭載することを想定した浮体式基礎のブロックの接合部を実寸サイズで製造し、2024年1月末から2月末に日立造船の堺工場でブロック接合試験が実施された。両社は、浮体式基礎の製造工程が1割以上短縮可能であることを確認したとしている。
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101767.html


5.東京海洋大学、純燃料電池船実験船「らいちょうN」が船舶検査証書交付

 東京海洋大学は、同大学の実験船「らいちょうN」が、水素燃料電池とリチウムイオン二次電池だけで運航できるハイブリット制御による純燃料電池船として、日本で初めて日本小型船舶検査機構から船舶検査証書を交付されたことを発表した。水素燃料電池船が同証書の交付を受けるためには、国土交通省が策定する「水素燃料電池船の安全ガイドライン」(2021年8月改訂)に適合することが要求されており、同大学の大出剛特任教授らの研究グループは、約2年かけ、ガイドラインにおける約200の項目に、らいちょうNを適合させるよう調査・対処を繰り返し、その適合化プロセスを実証してきたとしている。
https://www.kaiyodai.ac.jp/upload-file/f80b2b53e3b498e05c455b2ce7c4438c61da17cf.pdf


6.ワールドスキャンプロジェクト・東京大学、レアメタル探査システムを開発

 (株)ワールドスキャンプロジェクトと東京大学生産技術研究所のソーントン・ブレア准教授らの研究チームは、共同で、海底のレアメタル資源の発見を目的とした探査システムの研究を行っている。同研究チームは、ワールドスキャンプロジェクトが開発した新型磁気センサ(金属探知センサ)と東大生研ソーントン研究室が開発した3D画像マッピングシステムを、有索遠隔操縦ロボット(ROV:Remotely Operated Vehicle)に搭載し、海底に存在する磁気反応を詳細に調査した。また、深海環境におけるレアメタル資源に関する情報を取得して解析するためのシステムを共同開発し、資源が有望視されている1,700mの海底において、磁気データの取得に成功したことを7月18日に発表した。
https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/news/4565/


7.ホタテの廃棄貝殻からできたブルーカーボンテトラポッドを発表

 北海道猿払村、猿払村漁業協同組合、(株)ササキ、清水建設(株)、甲子化学工業(株)、(株)不動テトラ、日本国土開発(株)及び(株)TBWA HAKUHODOは、水産系廃棄物のホタテ貝殻を再利用した、ブルーカーボンテトラポッド「HOTATETRAPOD」を7月19日に発表した。HOTATETRAPODは、テトラポッドに使用する砂の代わりに猿払村のホタテ貝殻を使用することで、砂の消費量が50%となった他、海藻がつきやすくなり魚介類の餌場や海中の炭素を吸収するブルーカーボンの増大を実現したとしている。今後は、北海道オホーツク地方の海岸に設置をするための体制作りをしていきたいとしている。
https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2024/2024023.html


8.商船三井、最適運航支援ツールを導入

 (株)商船三井は、燃費効率改善によるGHG削減を目指し、米国Sofar Ocean社が提供する最適運航支援ツール「Wayfinder」を同社グループ運航船に順次導入することを7月30日に発表した。Sofar Ocean社の開発した海洋観測ブイ「Spotter Buoy」は、波高・潮流といった海洋データをリアルタイムで収集しており、収集した海洋データと衛星からの天候データを組み合わせることで、衛星データのみを活用した旧来手法と比較し、波高を含む気海象予測において約50%の精度向上を実現しているとし、同社グループ運航船40隻を通じたトライアルでは、1航海平均約6%の燃料/GHG排出削減効果が確認されたとしている。
https://www.mol.co.jp/pr/2024/24090.html


9.国際海底機構、次期事務局長にブラジルのカルヴァーリョ氏を選出

 国際海底機構(ISA)は、8月2日付のニュースリリースで、第29回総会会期中に次期(任期:2025年~2028年)事務局長の選挙が行われ、ブラジルのレティシア・カルヴァーリョ氏が選出されたことを発表した。ブラジル政府のウェブサイトによると、現在は国連環境計画(UNEP)に属している海洋学者であるカルヴァーリョ氏は、女性、科学者、ラテンアメリカ人として初の事務局長になるとのこと。
https://www.isa.org.jm/news/isa-assembly-elects-ms-leticia-carvalho-of-brazil-as-a-new-secretary-general/
https://www.gov.br/mma/pt-br/assuntos/noticias/oceanografa-brasileira-leticia-carvalho-e-eleita-secretaria-geral-da-autoridade-internacional-dos-fundos-marinhos


10.東京ガス、ポルトガルの浮体式洋上風発プロジェクトに事業参画

 東京ガス(株)は、8月6日付のニュースリリースで、ポルトガルで稼働中の浮体式洋上風力発電所「ウインドフロート・アトランティック」を運営するウインドプラス社へ投資を行なうことを発表した。「ウインドフロート・アトランティック」は同国北部大西洋沖20kmに位置し、発電容量は2.5万kW(0.8万kW×3基)で2020年7月から商業運転を開始している。東京ガスは海外の浮体式洋上風力発電事業に初めて参画することから、この経験を通じて先進的なO&M手法を習得し、我が国においても浮体式洋上風力発電の早期実現を目指すとしている。
https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20240806-01.html



《海産研関係情報》

1.当協会事務局、8月13日(火)~16日(金)夏季休業

 8月13日(火)~16日(金)まで、当協会事務所は夏季休業とさせていただきます。

 




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