第287号
10月23日、当協会の会員を対象に、再エネ海域利用法における銚子市沖の促進区域を訪問する意見交換会と見学会を実施しました。当日は、「地球の丸く見える丘展望館」展望スペースにて銚子市の地理的条件等をご説明いただいた後、関係者(銚子市、事業者、漁協)との意見交換を実施いたしました。予定していた銚子沖洋上風力発電所の船上からの見学は、強風のため見送りとなりましたが、過去に撮影した船上視察動画の視聴及び名洗港(メンテナンス港)の見学をいたしました。お忙しいところ、ご参加及びご対応いただきました皆様にお礼申し上げます。
======= 目 次 =======
《一般情報》
1.経産省・環境省、洋上風力発電のモニタリング等に関する第2回検討会を開催
2.水産庁、我が国EEZにおける漁業による水域の利用状況を公表
3.環境省、11/11「今後の里海づくりのあり方検討会」を開催予定
4.「日本財団洋上風力人材育成センター」が開所
5.電源開発・東京大学、着床式洋上風車基礎で特許取得
6.メタルワン、波力発電企業へ出資
7.不動テトラ等、フォトグラメトリによる水中構造物点検手法を試行
8.住友大阪セメント、ブルーカーボン対応多機能型藻場増殖礁を開発
9.12/13、海と産業革新コンベンション(うみコン)開催
10.エクイノール社、韓国洋上風力発電産業への投資を表明
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《一般情報》
1.経産省・環境省、洋上風力発電のモニタリング等に関する第2回検討会を開催
10月28日、経済産業省と環境省は「洋上風力発電におけるモニタリング等に関する検討会(第2回)」を開催した。事業者が行うモニタリング等の内容について議論が行われた。資料として、第1回検討会の概要、事業者が行うモニタリング等の内容、参考資料として、前回議事録、海外におけるモニタリングの事例が配布された。3月までに、3回の委員会開催が予定されている。当協会の塩原研究部長が委員として参加している。
https://www.meti.go.jp/shingikai/safety_security/offshore_wind_monitoring/002.html
https://www.env.go.jp/press/press_03879.html
2.水産庁、我が国EEZにおける漁業による水域の利用状況を公表
水産庁は、排他的経済水域で主に操業している農林水産大臣が許可する漁業(大臣許可漁業)の水域の利用状況を取りまとめ、10月15日に公表した。我が国の排他的経済水域における漁業以外の産業による水域利用(洋上風力発電や海底鉱物資源の採掘等)の機運が高まるにつれ、水域の先行利用者である漁業と新たに水域を利用しようとする他産業との共存・共栄の在り方について、各地で積極的な議論が行われるようになってきており、こうした議論の参考のために公表された。
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/eezriyou.html
3.環境省、11/11「今後の里海づくりのあり方検討会」を開催予定
環境省は、11月11日に神戸で「今後の里海づくりのあり方検討会」を開催することを発表した。環境省では、全国の閉鎖性海域等の沿岸域で、藻場干潟の保全と資源の利活用に取り組んでおり、里海創生事業(平成21、22年度)、里海モデル事業(令和4年度から)等の成果や課題等を踏まえて、同検討会を実施する。検討結果は、提言として取りまとめ、提言等を踏まえ、来年度以降の環境省の「里海づくり」推進に向けて取り組んでいく予定としている。
https://www.env.go.jp/press/press_03972.html
4.「日本財団洋上風力人材育成センター」が開所
日本財団は、洋上風力発電をはじめとする海洋開発分野の人材育成を推進しており、その一環で、長崎海洋産業クラスター形成推進協議会が運営する「日本財団洋上風力人材育成センター」が、11月7日に開所したことを発表した。同センターは、長崎市伊王島町にあり、洋上風力技能者を年間1,000人規模で育成する。洋上風力作業に必要な高所作業訓練や落水時の安全行動等の訓練が日英対応で開講され、国際認証資格を取得することができるとしている。
https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/information/2024/20241107-105723.html
5.電源開発・東京大学、着床式洋上風車基礎で特許取得
電源開発(株)と東京大学は共同で、日本の地形に適した新たな着床式洋上風車基礎「フレキシブル・トリパイル」を考案し、特許を取得したことを10月15日に発表した。考案された基礎形式では、基礎の底版部に角鋼管や鋼板を用いて比較的変形しやすく柔らかい構造とすることで地盤からの免震効果を得られるとしている。また、従来技術に比べ、基礎に使用する部材を簡素化し、建設コストを低く抑えることも可能としている。
https://www.jpower.co.jp/news_release/2024/10/news241015_1.html
6.メタルワン、波力発電企業へ出資
(株)メタルワンは、10月22日、グローバルエナジーハーベスト(以下、GEH社)への出資を発表した。GEH社は波力発電開発にも取り組んでおり、「往復型回転加速式発電」と「循環型波力揚水発電」を開発している。設置場所に合わせて、小~中の波浪には前者、中~大の波浪には後者といった選択ができるとして、効果、効率的且つ安定的に波力エネルギーを電気に変更出来るとしている。
https://www.mtlo.co.jp/newsrelease/pdf/20241022/20240222_1.pdf
7.不動テトラ等、フォトグラメトリによる水中構造物点検手法を試行
(株)不動テトラと高橋秋和建設(株)は、サイスガジェット(株)の協力を得て、外洋の海底に設置された筒型魚礁に対しフォトグラメトリ技術(さまざまな方向から撮影した対象物の写真データを元に、信頼性のある寸法を解析して3次元モデルを形成するもの)を活用し、詳細な3次元点群モデルを生成したことを11月5日に発表した。同手法の活用により、今後さらに需要が増すと予想される洋上風力発電設備の点検作業においても効果が期待されるとしている。
https://www.fudotetra.co.jp/news/%e3%83%95%e3%82%a9%e3%83%88%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%aa%e3%81%ab%e3%82%88%e3%82%8b%e6%b0%b4%e4%b8%ad%e6%a7%8b%e9%80%a0%e7%89%a9%e7%82%b9%e6%a4%9c%e6%89%8b%e6%b3%95%e3%82%92%e8%a9%a6/
8.住友大阪セメント、ブルーカーボン対応多機能型藻場増殖礁を開発
住友大阪セメント(株)は10月31日にブルーカーボン対応多機能型藻場増殖礁「藻場王」を開発したことを発表した。同製品は、藻場増殖礁をベースとし、海藻増殖機能を増強すると共に海の環境保全機能も搭載したとしている。特長として、製造段階の二酸化炭素排出量の大幅削減、海洋生分解性プラスチックの適用、海藻の生育に必要な栄養塩の供給、水中ドローンでのメンテナンス・藻場観察の省力化等があげられている。
https://www.soc.co.jp/news/77174/
9.12/13、海と産業革新コンベンション(うみコン)開催
海洋分野の産業振興やビジネス機会の創出を目的とした「海と産業革新コンベンション(うみコン)」(主催:海洋都市横浜うみ協議会/横浜市/海と産業革新コンベンション実行委員会)が、12月13日に横浜市役所1階アトリウムで開催される。同コンベンションは、シンポジウム、企業等によるブース展示、ビジネスマッチングイベント等で構成された、海洋産業に特化した国内のイベントとなっている。シンポジウムでは小山内常務理事が、「洋上風力発電導入促進のための当協会の取組について」と題する講演を予定している。
https://www.umi-con.com/
10.エクイノール社、韓国洋上風力発電産業への投資を表明
エクイノール社は、11月6日に韓国・ソウルで開催された2024年韓国投資サミットにおいて、同国の洋上風力産業の発展及びエネルギー転換の推進を支援する意向を表明し、投資登録を提出した。同社は、韓国政府が掲げる今後3年間で8GWの洋上風力発電容量という目標への貢献を目指しており、現在は蔚山から沖合60~70 kmに位置し、最大発電容量750MWの浮体式洋上風力発電プロジェクトに参画している。
https://www.equinor.co.kr/en/news/equinor-reaffirms-intention-to-invest-in-korea’s-renewable-energy-market