第288号
あっというまに年の瀬となりました。今年の弊協会のイベントを振り返ると、4月にSEA JAPANにブース出展及びミニシンポジウム、5月に洋上浮体式太陽光発電の見学会、10月に銚子洋上風力の見学会等を実施しました。また、事務局を務めることとなった「洋上風力人材育成推進協議会(ECOWIND)」の設立総会を11月に実施いたしました。今後も海洋産業振興に資する取り組みを進めて参ります。来年もよろしくお願いいたします。
======= 目 次 =======
《一般情報》
1.再エネ海域利用法、秋田・新潟・長崎の促進区域で公募占用計画を認定
2.日本郵船、長距離海底ケーブル敷設船の概念設計承認を取得
3.五洋建設、大型基礎施工船建造でシンガポール企業と基本合意書締結
4.五洋建設、洋上風力作業船に約790億円を設備投資
5.大成建設と石垣市、漂着プラスチックアップサイクル利用促進で連携協定
6.JERA・bp、洋上風力事業合弁会設立で基本合意
7.JMU、浮体式洋上風力で英国企業と共同研究
8.富士通、ブルーカーボン関連で新事業創出プログラム企業をスピンアウト
9.米政府、大学発の海洋再エネ関連プロジェクトに約27億円を投資
10.エクイノール社、英国初のCCSプロジェクトの2028年稼働に向けて前進
《海産研関係情報》
1.当協会事務局、12月27日(金)~1月3日(金)年末年始休業
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《一般情報》
1.再エネ海域利用法、秋田・新潟・長崎の促進区域で公募占用計画を認定
経済産業省及び国土交通省は、再エネ海域利用法に基づく海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域である「秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖」、「新潟県村上市及び胎内市沖」及び「長崎県西海市江島沖」について、公募により選定された事業者から提出されたそれぞれの公募占用計画を認定したことを、12月6日に発表した。それぞれの公募占用計画の概要では、事業概要、地域共生策、協議会意見とりまとめにおける留意事項への対応状況等が示されている。
https://www.mlit.go.jp/report/press/port06_hh_000301.html
2.日本郵船、長距離海底ケーブル敷設船の概念設計承認を取得
日本郵船(株)は、国内における長距離海底直流送電網整備に向けたケーブル敷設船に関して、(一財)日本海事協会から概念設計承認(Approval in Principle:AiP)を取得したことを12月4日に発表した。今後は、同船の設計を進め、同協会からの基本設計承認取得を目指すとしている。
https://www.nyk.com/news/2024/20241204.html
3.五洋建設、大型基礎施工船建造でシンガポール企業と基本合意書締結
五洋建設(株)は、全旋回式5,000t吊クレーンを搭載した大型基礎施工船(Heavy Lift Vessel:HLV)の建造に関するLOI(基本合意書)を、シンガポールのSeatrium子会社と締結したことを11月11日に発表した。風車の大型化に伴いモノパイル基礎の重量が増大しており、その設置にはHLVが不可欠としている。建造契約は2024年度の第4四半期が予定されている。
https://www.penta-ocean.co.jp/news/2024/241111.html
4.五洋建設、洋上風力作業船に約790億円を設備投資
五洋建設(株)は、2024年12月10日開催の取締役会において、洋上風力建設に用いる作業船への設備投資として、大型基礎施工船(HLV)とケーブル敷設船(CLV)合わせて約790億円(建造費 HLV:約1,200億円のうち約600億円、CLV:約310億円のうち約155億円、埋設機及びワークROV:約55億円のうち約35億円)の設備投資を行うことを決議したことを発表した。完成引渡時期は、HLV:2028年3月、CLV:2028年2月がそれぞれ予定されている。
https://www.penta-ocean.co.jp/news/2024/pdf/20241210.pdf
5.大成建設と石垣市、漂着プラスチックアップサイクル利用促進で連携協定
大成建設(株)と石垣市は、「漂着プラスチックのアップサイクル利用促進に係る連携協定」を締結したことを11月11日に発表した。同協定は、石垣市において年々増加する漂着するプラスチックごみを活用し、漂着プラスチックアップサイクル製品の製造・展示、市民向けワークショップの開催、市民向けアップサイクル製品アンケート調査等を実施するとしている。
https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2024/241111_10158.html
6.JERA・bp、洋上風力事業合弁会設立で基本合意
(株)JERAとbpは、JERAの再生可能エネルギー事業子会社であるJERA Nex Limited及びbpの洋上風力発電事業を統合し、両社の共同出資(出資比率50:50)による合弁会社「JERA Nex bp」の設立について12月9日に基本合意したことを発表した。また、両社は2030年末までに、開発資金として最大58億米ドル(約8,788億円)を、JERA Nex bpに出資することにも合意した。
https://www.jera.co.jp/news/information/20241209_2074
7.JMU、浮体式洋上風力で英国企業と共同研究
ジャパン マリンユナイテッド(株)と Advanced Manufacturing Research Centerは、英国における浮体式洋上風力発電に関する戦略的パートナーシップの構築を目的とした覚書を締結し、11月13日に署名式を実施したことを発表した。両者は、浮体式洋上風力発電における研究開発を共同で実施し、英国における浮体式洋上風力発電の発展を支援するとしている。
https://www.jmuc.co.jp/news/assets/e7cab9a4a3f42f7f1ae25598ca47838dcac77167.pdf
8.富士通、ブルーカーボン関連で新事業創出プログラム企業をスピンアウト
富士通(株)は、新規事業創出プログラム「Fujitsu Innovation Circuit」を通じて創出した事業としては初めて、(株)BLUABLEをスピンアウトしたことを12月3日に発表した。BLUABLEはカーボンニュートラルの推進とともに水質浄化や生物多様性の維持をはじめとした持続可能な海洋環境に貢献するため、藻場造成からブルーカーボンの測定、申請までをワンストップで提供している。また、現在、北海道から九州まで全国16か所の海域で藻場造成の実証実験を実施している。
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2024/12/3.html
9.米政府、大学発の海洋再エネ関連プロジェクトに約27億円を投資
米国エネルギー省(DOE:Department of Energy)は、12月4日付のプレスリリースで、海洋再生可能エネルギー及び洋上風力発電技術に焦点を当てた大学発の研究開発プロジェクトに1,800万ドル以上(約27億円)を投資すると発表した。投資対象となるのは、「海洋エネルギー装置の技術開発を支援するデータプラットフォームの創設」や「洋上風力発電と水産養殖開発との潜在的な相乗効果促進」等をテーマとする17大学による合計27件のプロジェクトとなっている。
https://www.energy.gov/eere/articles/us-department-energy-invests-more-18-million-marine-energy-and-offshore-wind-research
10.エクイノール社、英国初のCCSプロジェクトの2028年稼働に向けて前進
エクイノール社は、12月10日付のニュースリリースで、英国北東部のティーズサイド沖における同国初の二酸化炭素回収・貯留(CCS)プロジェクトについて、稼働段階へ進むための最終投資決定(FID)を下したことを発表した。同プロジェクトは、2025年半ばに建設を開始し、2028年に稼働開始する予定で、年間最大400万トンの二酸化炭素排出量を輸送及び貯蔵することができ、2035年までに平均最大2,300万トンに拡大を目指すとのこと。
https://www.equinor.com/news/20241210-approve-execution-of-uks-first-ccs-projects
《海産研関係情報》
1.当協会事務局、12月27日(金)~1月5日(日)年末年始休業
12月27日(金)から1月5日(日)まで、当協会事務局は休業させていただきます。新年は、1月6日(月)より平常業務となります。