入会申込

情報サービス
INFORMATION SERVICE

2025年2月12日

第290号

2月号では、国内外の海洋再生可能エネルギー関連の最新動向等を中心にお届けします。洋上風力関係では、三菱商事の事業性再評価、米国では沖合大陸棚における洋上風力の新規リース停止という大きな動きもありました。一方、九電みらいエナジーの潮流発電機設置等、新たな展開も見られます。ぜひお読みください。


=======  目  次  =======  

《一般情報》

1.環境省、洋上風力発電モニタリング等検討会(第3回)を開催
2.横浜市と4企業、洋上風力でグリーン電力供給と地域共創
3.三菱商事、洋上風力3海域での事業について事業性再評価
4.応用地質、JOGMEC浮体式洋上風力発電導入促進向け海底地盤調査で採択
5.九電みらい、長崎県五島市沖で大型潮流発電機設置工事を開始
6.日本郵船、秋田県に洋上風力事業向け船舶管理会社を設立
7.東洋建設、Cyan Renewablesが外洋作業船のパートナーシップ構築で覚書
8.双日、台湾の雲林洋上風力発電所が商業運転開始
9.米政府、メキシコ湾をアメリカ湾に名称変更
10.米政府、沖合大陸棚における洋上風力発電の新規開発を停止


==============================


《一般情報》


1.環境省、洋上風力発電モニタリング等検討会(第3回)を開催

 1月30日、経済産業省と環境省は「洋上風力発電におけるモニタリング等に関する検討会(第3回)」を開催した。事業者が行うモニタリング等の内容(修正案)、モニタリングデータの取扱い及びモニタリング結果の活用について討議された。3月に開催予定の第4回検討会で、ガイドライン案の取りまとめが予定されている。当協会の塩原研究部長が委員を務めている。
https://www.env.go.jp/press/press_04244.html


2.横浜市と4企業、洋上風力でグリーン電力供給と地域共創

 横浜市は、1月24日、東京電力パワーグリッド(株)、(株)海上パワーグリッド、戸田建設(株)、(株)三菱UFJ銀行の4社と、洋上風力発電によるグリーン電力について、横浜市臨海部を起点として供給する方法の検討に関する覚書を締結したことを発表した。洋上風力発電事業に関する産業の地域共創についても検討するとしている。
https://www.toda.co.jp/news/2025/20250124_003459.html


3.三菱商事、洋上風力3海域での事業について事業性再評価

 三菱商事(株)は、同社子会社の三菱商事洋上風力(株)を代表企業とするコンソーシアムを通じて、秋田県能代市、三種町及び男鹿市沖/秋田県由利本荘市沖/千葉県銚子市沖において各プロジェクト会社を設立し、発電事業者として洋上風力発電所の開発に取り組んでいるが、公募参画当初の想定を上回る事業環境の変化に伴い、上記3海域で推進する各事業の開発に際し、事業性の再評価を行っていることを2月3日に発表した。
https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/news/release/2025/20250203002.html


4.応用地質、JOGMEC浮体式洋上風力発電導入促進向け海底地盤調査で採択

 応用地質(株)は、(独法)エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が公募した令和 6 年度洋上風力発電の導入促進に向けた基礎調査に係る業務のうち、JOGMECとして初めて実施する浮体式海底地盤調査となる2件に応募し、いずれも実施予定者として採択されたことを1月14日に発表した。2件はいずれも北海道で、岩宇・南後志地区沖と島牧沖、事業期間は2026年3月20日で、事業規模は前者が9.5億円、後者が3.5億円となっている。
https://www.oyo.co.jp/uploads/pdf/240114_OYO_Press_Release_JOGMEC.pdf


5.九電みらい、長崎県五島市沖で大型潮流発電機設置工事を開始

 九電みらいエナジー(株)は、環境省より「潮流発電による地域の脱炭素モデル構築事業(2022年度~2025年度)」を受託しており、2月4日に、潮流発電機の改造工事が完了し、長崎県五島市沖の海底への設置工事を開始することを発表した。前回の環境省事業(2019年度~2021年度)で使用した潮流発電機(500kW)を改造し、ヨー制御、ピッチ制御等を導入し、国内初となる商用スケールの大型潮流発電機(1,100kW)となった。また、奈留瀬戸に設置後は、実際に五島市の電力系統に接続し送電を行い、商用に近い実証に移行するとしている。
https://www.q-mirai.co.jp/files/optionallink/00000596_file.pdf?1738635131


6.日本郵船、秋田県に洋上風力事業向け船舶管理会社を設立

 日本郵船(株)は、秋田曳船(株)と、洋上風力事業に必要な船舶保守管理サービスを提供する合弁事業会社として「ジャパンオフショアサポート(株)」を2024年12月に設立したことを1月14日に発表した。同社は、洋上風力事業に関わる船舶保守管理と船員の人材育成・雇用を行うとしており、地元の人材を積極的に登用することで、秋田県での洋上風力事業の発展と地域活性化に貢献するとしている。
https://www.nyk.com/news/2025/20250114.html


7.東洋建設、Cyan Renewablesが外洋作業船のパートナーシップ構築で覚書

 東洋建設(株)は、Cyan Renewables Pte.Ltd.(本社:シンガポール)との間で、外洋作業船に関する広範なパートナーシップ構築に向けた覚書を締結したことを2月10日に発表した。同パートナーシップにより、外洋施工に必要な船舶・技術等のリソースの相互活用により、アジア太平洋地域での洋上風力発電事業等幅広い分野でのサプライチェーンの展開が期待されるとしている。
https://pdf.irpocket.com/C1890/wLlX/WT45/ksPV.pdf


8.双日、台湾の雲林洋上風力発電所が商業運転開始

 双日(株)は、2019年4月に事業参画した雲林洋上風力発電所について、風車全 80基の設置を完了し、2025年1月30日より商業運転を開始したことを発表した。洋上風力発電所としては台湾で最大級となる発電能力(640MW)を有しており、売電先は台湾電力公司となっている。同事業は、台湾中部の雲林県沖 8~17kmの洋上82平方kmのプロジェクトエリアに全80基の風車が設置されている。
https://www.sojitz.com/news/news_file/file/250203r.pdf


9.米政府、メキシコ湾をアメリカ湾に名称変更

 米国内務省は、1月24日付のプレスリリースで、メキシコ湾の名称を「アメリカ湾」に変更することを発表した。同湾は、米国の海岸線1,700 マイル(約2,700km)以上に接し、漁業や石油・天然ガス開発等、同国の成長の礎となってきたことを踏まえ、トランプ大統領令により、今回の変更に至ったとのこと。本件と同時に、北米最高峰の名称も、アラスカ先住民の呼称であったデナリ山から、再び元米大統領の名を関する「マッキンリー山」に変更することも発表された。
https://www.doi.gov/pressreleases/interior-department-advances-restoration-historic-names-honoring-american-greatness


10.米政府、沖合大陸棚における洋上風力発電の新規開発を停止

 米国大統領官邸は、1月20日付の活動報告(presidential action)で、同国が管轄する沖合大陸棚の全海域における洋上風力発電プロジェクトへのリースを1月21日から停止する大統領令を発表した。この発令は、洋上風力発電の開発に伴う、海洋生物及び海象への影響、そして国民へのエネルギーコストの高騰、漁業の維持を主な理由としている。なお、今回の停止処分は、既に契約が済んでいる洋上風力発電プロジェクトには適用されず、石油、天然ガス、海底鉱物、海洋環境保全等、他の目的に関連するリースも対象外とのこと。
https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/2025/01/temporary-withdrawal-of-all-areas-on-the-outer-continental-shelf-from-offshore-wind-leasing-and-review-of-the-federal-governments-leasing-and-permitting-practices-for-wind-projects/

 




海産研e-mail通信(メルマガ)へ戻る
お問い合わせ
CONTACT
メールにて、お名前・ご所属をお知らせください
数日経っても登録完了メールが届かない場合には、メールアドレスの入力ミス等が考えられますので再度お申し込みをお願いします。
海産研e-mail通信のお申し込みはこちら