第293号
新年度になりました。当協会事務局も、新たにスタッフを加え新体制でのスタートとなりました。新規の調査案件も積極的に受注してゆく所存ですので、海洋産業に係る調査を企画中の各位におかれましては、お気軽にご相談ください。また、会員の皆様には本年度のグループ研究のご案内をさせていただいております。ご参加につきまして、ご検討いただければ幸いです。
======= 目 次 =======
《一般情報》
1.経産省、再エネのFIT制度・FIP制度で2025年度以降の買取価格等を設定
2.国交省、洋上風力関係船舶確保のあり方に関する検討会を開催
3.九州経産局、九州洋上風力関連産業サプライチェーンマップを作成
4.環境省、藻場・干潟の保全・再生の評価の手引きを公表
5.内閣府、AUVの利用実証事業を公募
6.カナデビア・大成建設・商船三井 浮体式洋上風力商用化向け覚書を締結
7.日本郵船等、再エネ活用洋上データセンター実現に向けた実証実験で覚書
8.日本郵船グループ企業、大型洋上風力発電用SOVを初保有
9.英国政府、同国初の浮体式洋上風車製造の拠点港整備に着手
10.米政府、メキシコ湾における新たな石油・天然ガスの開発に着手
《海産研関係情報》
1.2025年度グループ調査研究7件、会員の参加募集中!(会員の方へのご案内)
2.2025年度懇親会の開催について(会員の方へのご案内)
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《海産研関係情報》
1.経産省、再エネのFIT制度・FIP制度で2025年度以降の買取価格等を設定
経済産業省は、3月21日、再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2025年度以降の買取価格等と2025年度の賦課金単価を設定したことを発表した。着床式洋上風力発電(再エネ海域利用法適用外)については、2025年度の買取価格は入札により決定するとされ、上限価格は事前非公表となっている。また、浮体式洋上風力発電(再エネ海域利用法適用外)については、引き続き36円(単位:円/kWh)となった。
https://www.meti.go.jp/press/2024/03/20250321006/20250321006.html
2.国交省、洋上風力関係船舶確保のあり方に関する検討会を開催
国土交通省は3月28日に、第1回「洋上風力関係船舶確保のあり方に関する検討会」を開催した。同検討会の検討項目としては、関係船舶の需要見通し、関係船舶(搭載機器を含む)に求められる性能、船舶を確保するために必要な取組としており、2025年秋までに3回の検討会を開催し、取りまとめを行うとしている。
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001878939.pdf
3.九州経産局、九州洋上風力関連産業サプライチェーンマップを作成
経済産業省九州経済産業局は、九州エリアにおける洋上風力関連技術をもつ企業を県別・工程別・部品別にマッピングし、九州内の有望な地域・技術を見える化することを目的として「九州洋上風力関連産業サプライチェーンマップ」を作成したことを3月13日に発表した。今後も掲載企業を随時募集・更新するとしている。
https://www.kyushu.meti.go.jp/report/2503/250313_2.html
4.環境省、藻場・干潟の保全・再生の評価の手引きを公表
環境省は、4月4日、里海づくりに関わる取組の一環として、ブルーカーボンをはじめとした藻場・干潟の多面的な機能の調査・評価手法をまとめた手引書「ブルーカーボンを活用! 令和の里海づくりに向けた藻場・干潟の保全・再生の評価の手引き」を公表した。同手引きでは、里海づくりにおける課題解決や継続的な取組推進のため、藻場・干潟の多面的機能に関する調査・評価の技術的ポイントや評価結果の活用法を、モデル海域での実践例を交えて整理している。
https://www.env.go.jp/press/press_04707.html
5.内閣府、AUVの利用実証事業を公募
内閣府総合海洋政策推進事務局は、自律型無人探査機(AUV)の利用実証事業の公募要領を4月4日に公表した。募集内容では、実証試験の目標として、洋上風力発電施設の維持管理モデル構築、その他利用用途ビジネスモデル構築、の2つのカテゴリーが示されている。4月9日に公募説明会が開催され、応募書類の提出期限は5月14日正午となっている。
https://jsf.saloon.jp/auvdemo/application_guidelines.pdf
6.カナデビア・大成建設・商船三井 浮体式洋上風力商用化向け覚書を締結
カナデビア(株)、大成建設(株)、(株)商船三井は、浮体式洋上風力発電商用化に向けた情報交換に関する覚書を3月27日に締結したことを発表した。今後のEEZ海域も含んだ浮体式洋上風力の急速な導入に向け、主に浮体基礎の製作を手掛けるカナデビア及び大成建設と、主に浮体基礎の曳航ならびに係留を手掛ける商船三井で知見を共有し、浮体基礎の製作と浮体基礎の曳航及び係留が互いに関連する領域でのコスト及びリスクを低減する施工方法を検討する場の形成等を目指すとしている。
https://www.mol.co.jp/info/article/2025/0327.html
7.日本郵船等、再エネ活用洋上データセンター実現に向けた実証実験で覚書
日本郵船(株)、(株)NTTファシリティーズ、(株)ユーラスエナジーホールディングス、(株)三菱UFJ銀行、横浜市は3月27日に、災害対策用のミニフロート(浮体式係留施設)を活用したグリーンデータセンターに関する覚書を締結したことを発表した。横浜市の大さん橋ふ頭に設置されているミニフロート(縦25m×横80m)において、太陽光発電設備と蓄電池設備を活用した再生可能エネルギー100%で稼働する洋上浮体型データセンターの実証実験を実施し、その成果を踏まえて横浜港の臨海部及び海域での更なる展開を検討するとしている。
https://www.nyk.com/news/2025/20250327_03.html
8.日本郵船グループ企業、大型洋上風力発電用SOVを初保有
日本郵船(株)は、同社グループで洋上風力発電の作業員輸送事業を行っているNorthern Offshore Group AB社(NOG社)が、洋上風力発電設備に人員や物資を輸送する作業船(SOV:Service Operation Vessel)1隻を、ノルウェーの洋上風力関連会社Edda Wind A/S社から購入したことを3月24日に発表した。同船は、多くの物資を輸送するための潤沢なスペースの他、多くの人員が快適に過ごせる居住空間や安全に風車に移乗できる設備を備えている。NOG社は作業員輸送船(CTV)を60隻以上保有しているが、SOVの保有は初めてとなる。
https://www.nyk.com/news/2025/20250324.html
9.英国政府、同国初の浮体式洋上風車製造の拠点港整備に着手
英国政府は、3月5日付のプレスリリースで、スコットランドのクロマティ湾港の拡張整備を行い、浮体式洋上風車製造の主要拠点港とすることを発表した。同国には既に世界最大級の浮体式洋上風力発電施設が建設されており、今後更に30GWの建設が予定されている。クロマティ湾港の拡張には浮体式洋上風力発電製造投資制度(FLOWMIS:Floating Offshore Wind Manufacturing Investment Scheme)の助成金5,500万ポンド(約104億円)が投じられ、英国内で初となる大規模な浮体式洋上風車を製造できる拠点港として2028年初頭までに稼働開始する見込み。
https://www.gov.uk/government/news/government-unlocks-floating-offshore-wind-with-major-investment-for-scottish-port
10.米政府、メキシコ湾における新たな石油・天然ガスの開発に着手
米国内務省は、4月4日付のプレスリリースで、国内の海洋開発を所管する海洋エネルギー管理局(BOEM)に対し、メキシコ湾(プレスリリースではアメリカ湾となっている)における石油・天然ガス開発権のリース入札を指示したことを発表した。BOEMの最新の推定によると、同湾の未発見油田における技術的に回収可能な石油・ガス資源量は、石油295億9,000万バレル、天然ガス54兆8,400億立方フィート。2025年6月に、リース売却の入札希望者に情報を提供する売却提案通知(proposed notice of sale)を公表する予定とのこと。
https://www.doi.gov/pressreleases/department-interior-announces-new-2025-lease-sale-gulf-america
《海産研関係情報》
1.2025年度グループ調査研究7件、会員の参加募集中!(会員の方へのご案内)
当協会の2025年度グループ調査研究のテーマは下記の7件となっています。会員の皆様からの多数の参加をお願いいたします。参加資格は1~5は正会員のみとなっていますが、賛助会員でも正会員への移行を前提に参加は可能です。また、6、7については正会員・賛助会員ともにご参加をいただくことが可能です。よろしくご検討いただければと存じます。これらの事業内容についてのお問い合わせは、事務局まで、遠慮なくお申し越しください。
(メールアドレス:rioe@rioe.or.jp)
1)「洋上風力発電等の漁業協調の在り方に関する提言研究」
2)「浮体構造物(マリンフロート)の活用に関する調査研究」
3)「重要遠隔離島及び周辺海域の利用・保全方策に関する調査研究」
4)「海洋自然エネルギー利用技術の実用化プロジェクトに関する研究」
5)「洋上風力発電等の主力電源化に資する海底送電線網の実現に向けて」
6)「浮体式洋上風力発電の実用化に向けて」
7)「ブルーカーボンの実用化及び普及に向けた調査・研究」
2.2025年度懇親会の開催について(会員の方へのご案内)
当協会では、来る6月11日の定時総会終了後に、懇親会を開催いたします。詳細につきましては、会員窓口の方宛に、別途、メールにてご案内を予定しております。会員の皆様におかれましては、ご参加のご検討、どうぞよろしくお願いいたします。