調査・研究
RESEARCH
03. 重要遠隔離島及び周辺海域の利用・保全方策に関する調査研究
我が国の広大なEEZ及び大陸棚に賦存する潜在的資源を将来の世代に引き継いでいくためには、その基点となる重要遠隔離島及びその周辺海域の管理・保全は不可欠であると同時に、積極的に利活用していくことが極めて重要です。
本研究では、国内外における最新の政策動向、事例等を収集・整理するとともに、専門家を招き最新の関連情報の把握と交流等も積極的に行います。
沖ノ鳥島や南鳥島あるいは大東諸島、南西諸島などは、我が国の広大なEEZ及び大陸棚の基点となる重要遠隔離島です。その海域空間及び周辺に賦存する潜在的資源を将来の世代に引き継いでいくためには、それら重要遠隔離島及びその周辺海域の管理・保全は不可欠であると同時に、積極的に利活用していくことが極めて重要となります。
本調査研究では、これまで、沖ノ鳥島を対象としたサンゴ増殖技術や“電着技術”を活用したラグーンからの砂礫流失防止用潜堤の構想、周辺海域における海洋深層水組み上げ装置の設置による漁場造成を図る“ラピュタ構想”等を検討し、関係各省に提言を行ってきました。
政府の取組においては、2010年6月に成立した低潮線保全法により、沖ノ鳥島及び南鳥島における港湾建設等が進められてきているところです。さらに、2018年11月から開始した第2期SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)では、南鳥島周辺海域におけるレアアース泥の概略資源量評価が計画される等、重要遠隔離島及びその周辺海域の利用・保全に向けた政府の取組は着実に進みつつあります。
また、2023年4月28日に閣議決定された第4期海洋基本計画では、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策の一つとして、「離島の保全等及び排他的経済水域等の開発等の推進」が掲げられています。
これらを念頭に、政府を中心とする関連施策や取組の最新動向を把握するとともに、重要遠隔離島の利用・保全等に資する提案・技術シーズの発掘に努めます。さらに、国内外における有人・無人を含む遠隔離島の利用・保全に関する方策の事例等を幅広く収集・整理し、専門家及び有識者を通じて最新の関連情報の把握と交流等も積極的に行います。