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調査・研究
RESEARCH

04. 海洋自然エネルギー利用技術の実用化プロジェクトに関する研究

本研究では、海洋に囲まれた我が国でポテンシャルの高い海洋由来の自然エネルギー(洋上風力、波力、潮流、海流、海洋温度差等)について、内外の最新事例を参考としながら、我が国における展開可能性について検討を行っています。

海外における洋上風力発電の事例
(撮影:事務局)

我が国は、海洋に囲まれており、海洋に由来する自然エネルギー(洋上風力、波力、潮流、海流、海洋温度差等)のポテンシャルが非常に大きく、これを発電に利用する取り組みが活発に行われています。特に洋上風力については、港湾やいわゆる一般海域において、実現化に向けた具体的な進展が見られます。港湾では、秋田県の能代港で洋上ウィンドファームが2022年12月より商業運転を開始しており、一般海域についても2019年4月から施行されている「再エネ海域利用法」の下、促進区域の指定がなされ、事業者の選定が進んでいる区域も出てきています。
また、2020年10月に菅義偉首相(当時)が所信表明演説の中で、日本として2050年カーボンニュートラルを目指すことを表明し、「省エネルギーを徹底し、再生可能エネルギーを最大限導入する」としたことを受け、洋上風力産業ビジョン(案)に「2030年までに1,000万kW、2040年までに3,000万kW~4,500万kW」が盛り込まれる等活発な動きがみられます。さらに、昨今のウクライナ情勢を受け、エネルギー安全保障の観点から、自国でのエネルギー源として、洋上風力発電に、より注目が集まっています。
一方、海外の動きとしては、脱炭素化の動きが急速に加速し、欧州(英国、デンマーク、ドイツ等)やアメリカにおいて洋上風力発電等がさらに拡大し、発電コストの低減化も進められています。また、波力、潮流発電についても海域での実証等取り組みが急速に進展しています。
こうした状況を踏まえて、洋上ウィンドファームの展開にあたっての課題を取り上げるとともに、波力、潮流、海流、海洋温度差発電等のわが国における展開可能性について検討を行っています。検討にあたっては、内外における先進的取り組みについて関係者からの話題提供等による情報収集と分析、さらに、関連事例の見学や関係者を加えた交流と意見交換を図り、様々な角度からのアプローチを行っています。