調査・研究
RESEARCH
07. ブルーカーボンの実用化及び普及に向けた調査・研究
2023年度に新設した本研究では、2050年までのカーボンニュートラルの実現、またネイチャーポジティブを実現するためにも有用とされる「ブルーカーボン」の実用化及び普及について取り上げています。とくに、カーボンニュートラルを実現するには、二酸化炭素の排出量を減らすことに加え、排出された二酸化炭素を吸収することも必要となります。これには、陸上の森林等によるグリーンカーボンと海洋中の海藻によるブルーカーボンがありますが、ブルーカーボンの方が二酸化炭素の吸着を効率的、効果的に行うことができるものとされています。現在、日本国内ではジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)によって、Jブルークレジットの制度の運営が行われており、認証実績は着実に増えてきています。

ジャパンブルーエコノミー技術研究組合資料に基づき作成
(出典:環境省Webサイト)
政府の最近の取り組みとしては、環境省が2024年2月にブルーカーボンによる二酸化炭素吸収量の算定方法を公表しています。そして同年4月には、気候枠組条約締約国会議にて温室効果ガス排出・吸収量の報告として、国土交通省は、海草藻場及び海藻藻場による吸収量を日本として初めて盛り込んだ形で行っており、とくに海藻藻場については世界で初めての報告を行っています。また、横浜市による独自のブルーカーボン・オフセット制度等、各地方自治体による取組みも行われています。企業では、自社技術の活用や、新たな技術開発を進める一方で、自治体、NPO等との連携も始めています。
本研究では、国内外の先進事例、法制度、クレジット化の現状等について情報収集、意見交換を行うとともに、一層のブルーカーボン技術の実用化及び普及に向けて、必要な施策等の在り方について検討を行います。